カリフォルニアでの運転免許取得~その2~ [番外編]
カリフォルニア州の自動車運転免許を取得するため、学科試験をクリアした夫と私。
次に実技試験の予約を取り、まずは夫からその日はやってきたのでした。
実技試験では助手席に試験官を乗せて街中を30分ほど走りますが、車は自分で用意し、試験場までは、免許取得者の同乗が必要とはいえ、無謀にも受験者本人が運転して行きます。
無謀なのはそれだけではありません。
車中で順番を待つ間、エンジンは切っておかなければなりません。
真夏の太陽が照りつける砂漠のような駐車場で、車の中は灼熱地獄と化し、試験が始まる頃には体調は最悪、怪しく近づいて来るサングラスの女性が試験官であることに気づくまでに長い時間がかかります。
ようやく自分の番となり、最初に試験官に見せるのは、車の保険証書です。これがないと試験が受けられません。
そして、車の点検が始まります。
方向指示器、ワイパー、ライト、ブレーキランプなどを指示通りに作動させ、何か一箇所でも不都合があれば、その場で失格です。
夫はここで片側のブレーキランプが点灯せずに、戦わずして帰って来ました。
ランプを取り替えて、次は私の出陣です。
車の点検を終えて助手席に乗り込んだ試験官は、最初に、「交差点で左右を指示するからそれに従うように、指示がない時は基本的に直進せよ」という意味のことを言います。
私はただ一言「イエス」と答えます。
友人たちの体験談によると、試験官に時候の挨拶などしても機嫌を損ねるだけ、聞き取れない英語を聞き返しても無視されるだけ、要するに余計な会話は一切無用、というのが一致した見解です。
それを肝に銘じ、息詰まる沈黙の中、いよいよ車を発進させます。
駐車場を走る時の速度は時速5マイル、一刻も早く試験を終わらせたい私は、これを倍の速度で走っていきなり減点です。
一般道に出るとすぐ、いったん路肩に駐車するよう指示されます。この時はたまたま駐車中の車が多く、やっと見つけたスペースに勇んで縦列駐車したものの、私が堂々と停めた場所は、駐車禁止の消火栓の真横でした。
突き返された採点用紙には「非常識」の一言。
私の1回目の試験は、駐車場を一歩出たところで幕を閉じたのでした。
2回目の実技試験、悔しいかな夫は見事合格でした。
私も1回目の失敗を繰り返さぬよう、右折、左折、一時停止、車線変更など、細心の注意を払いつつ、最後の難関、高速道路へと向かいます。
いつもより念入りに首をねじ曲げて他の車を確認しながら、時速55マイルで無事合流。
「うん、うん」と頷く試験官を横目に合格を確信したのも束の間、高速を下りて一般道へ戻るところで目に入った時速30マイルの標識に、あわてて急ブレーキを踏んだのが運の尽き。これまでの努力は水の泡と消えたのでした。
試験官は大激怒、採点用紙には「信じられない危険行為」と書き殴ってありました。
そしてやって来た3回目の試験、これに落ちたらまた12ドル払って、学科試験からやり直しです。
日本では通勤で毎日50キロを車で走りながら無事故無違反であった私が、免許取得に関して今さらなぜこんなストレスを受ける必要があるのか、実際、学科試験からこの方、緊張による食欲不振と試験時の脱水により、私の体重はかなり減っていました。
アメリカでは身分証明のため運転免許証を提示する機会が多いのは確かですが、夫が合格しているのだから一家族に一免許あればよいのでは、といった考えも浮かんでやる気は失せるばかり。
しかし、合格後に飲むビールは旨いぞ、という甘い誘惑に負けて、結局はラストチャンスに賭けるのでした。
☆腰が痛いと車も運転できないということが、今回よくわかりました。試験中、腰痛が無くて幸いでした。 加えて、パソコンが腰に悪いということも、このたびよくわかりました。
次に実技試験の予約を取り、まずは夫からその日はやってきたのでした。
実技試験では助手席に試験官を乗せて街中を30分ほど走りますが、車は自分で用意し、試験場までは、免許取得者の同乗が必要とはいえ、無謀にも受験者本人が運転して行きます。
無謀なのはそれだけではありません。
車中で順番を待つ間、エンジンは切っておかなければなりません。
真夏の太陽が照りつける砂漠のような駐車場で、車の中は灼熱地獄と化し、試験が始まる頃には体調は最悪、怪しく近づいて来るサングラスの女性が試験官であることに気づくまでに長い時間がかかります。
ようやく自分の番となり、最初に試験官に見せるのは、車の保険証書です。これがないと試験が受けられません。
そして、車の点検が始まります。
方向指示器、ワイパー、ライト、ブレーキランプなどを指示通りに作動させ、何か一箇所でも不都合があれば、その場で失格です。
夫はここで片側のブレーキランプが点灯せずに、戦わずして帰って来ました。
ランプを取り替えて、次は私の出陣です。
車の点検を終えて助手席に乗り込んだ試験官は、最初に、「交差点で左右を指示するからそれに従うように、指示がない時は基本的に直進せよ」という意味のことを言います。
私はただ一言「イエス」と答えます。
友人たちの体験談によると、試験官に時候の挨拶などしても機嫌を損ねるだけ、聞き取れない英語を聞き返しても無視されるだけ、要するに余計な会話は一切無用、というのが一致した見解です。
それを肝に銘じ、息詰まる沈黙の中、いよいよ車を発進させます。
駐車場を走る時の速度は時速5マイル、一刻も早く試験を終わらせたい私は、これを倍の速度で走っていきなり減点です。
一般道に出るとすぐ、いったん路肩に駐車するよう指示されます。この時はたまたま駐車中の車が多く、やっと見つけたスペースに勇んで縦列駐車したものの、私が堂々と停めた場所は、駐車禁止の消火栓の真横でした。
突き返された採点用紙には「非常識」の一言。
私の1回目の試験は、駐車場を一歩出たところで幕を閉じたのでした。
2回目の実技試験、悔しいかな夫は見事合格でした。
私も1回目の失敗を繰り返さぬよう、右折、左折、一時停止、車線変更など、細心の注意を払いつつ、最後の難関、高速道路へと向かいます。
いつもより念入りに首をねじ曲げて他の車を確認しながら、時速55マイルで無事合流。
「うん、うん」と頷く試験官を横目に合格を確信したのも束の間、高速を下りて一般道へ戻るところで目に入った時速30マイルの標識に、あわてて急ブレーキを踏んだのが運の尽き。これまでの努力は水の泡と消えたのでした。
試験官は大激怒、採点用紙には「信じられない危険行為」と書き殴ってありました。
そしてやって来た3回目の試験、これに落ちたらまた12ドル払って、学科試験からやり直しです。
日本では通勤で毎日50キロを車で走りながら無事故無違反であった私が、免許取得に関して今さらなぜこんなストレスを受ける必要があるのか、実際、学科試験からこの方、緊張による食欲不振と試験時の脱水により、私の体重はかなり減っていました。
アメリカでは身分証明のため運転免許証を提示する機会が多いのは確かですが、夫が合格しているのだから一家族に一免許あればよいのでは、といった考えも浮かんでやる気は失せるばかり。
しかし、合格後に飲むビールは旨いぞ、という甘い誘惑に負けて、結局はラストチャンスに賭けるのでした。
…つづく
☆腰が痛いと車も運転できないということが、今回よくわかりました。試験中、腰痛が無くて幸いでした。 加えて、パソコンが腰に悪いということも、このたびよくわかりました。
タグ:実技試験
2008-09-17 17:28
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コメント(2)
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さらに12ドル払って学科試験から受けなおす羽目になったのは私ですが、なにか?(泣)
日頃運転などしていない夫が一発で通るのに、なんでベテランドライバーの私がこんな目に?と、今考えても、どーも納得できない運転試験でした。ぶつぶつ・・・。
by Goldenwest (2008-09-19 16:35)
☆Goldenwestさん、
私たち、アメリカではさんざんGoldenwestさんの運転するお車に乗せていただきましたが、誰よりも運転お上手で、学科試験からもう一度受けなおされたってのが信じられませんでした。
よほどクセのある試験官に当たってしまったんですね。
私の2回目の実技試験時の教官は、それはそれは怖かったです。研究室のボスの奥さんよりも怖かったです。
by Duarte (2008-09-19 20:46)