１３．修業の日々

　中学校入学以来の度重なる病気と怪我に病院通いが絶えなかった息子も、何とか１学期の終業式を迎えることができました。

　病気続きのせいか、過酷な部活動の成果か、はたまた厳しい授業が原因か、１学期を過ごした息子の体重は５キロの減少を呈し、ウエストに至っては２０センチ近く絞られる結果となりました。
　これまで何度試みても失敗に終わっていた息子の減量が、この中学校生活で初めて成功を遂げたのです。

　帰国時の身体検査で”肥満”と言われた体型が、次第に少年らしい姿に戻ってくるのを目の当たりにすると、それがたとえストレスが原因の体重減少であったとしても、やはり嬉しくなってしまいます。しかし、何よりも息子が毎日鼻歌を響かせながら登校していることが、最近では心身ともによい状態であることを示しています。

　ところが、同級生のお母さん方は皆、子供たちのことで心配を募らせています。
　
　部活動は月に２日の休みがあるだけで毎晩７時まで。
　その後塾に通う子がほとんどで、最終的に家に帰り着くのは夜１０時。
　大量に出される宿題は翌朝５時起きで仕上げ、早朝練習のために朝７時過ぎには家を出る。
　通学カバンには１０キロを超える持ち物の山。

　確かに過酷で多忙な毎日です。

　その上、日々の生活態度から授業の受け方、果ては持参する弁当に至るまで、学校には事細かく決められた規則があって、臨機応変の対応を許さぬその条文に、母親は子供を修業に出しているような錯覚に陥るほどです。

　子供たちは私たちの時代以上に縛られています。

　この修業は、子供から余計なことを考える時間を奪って横道に逸れるのを防ごうという意図の現れなのでしょうか。
　その真意はわかりませんが、実際このような生活を送っていれば、塾通いだけは免れている息子でも、友だちと遊ぶ時間どころか、夜ゆっくり眠る時間すらありません。

　しかし当の子供たちは、このような生活を特に嘆くでもなく、むしろ皆生き生きと過ごしているのがまた不思議です。

　息子の所属するバレーボール部は３年生と１年生の人数が多く、２年生はたった１人ですが、この夏の試合で３年生は早くも引退します。
　文字通り手取り足取り指導してくれた３年生たちの引退が、息子にとっては寂しくて仕方がない様子で、しばらくは食欲も衰えるほどでした。
　部活の先輩など１人でも少ない方が気楽だろうと思っていた私には、なかなか予測できない彼の反応でしたが、これまで運動らしい運動もしたことのない息子にとって、到底耐えられそうもない練習を１学期の間支えてくれたのは、やはり同じ練習を重ねてきた先輩たちだったのでしょうか。

　こうした部の先輩や友だち、そして先生といった生身の人間が、勉強や校則で窒息しそうなイメージのある中学校に、呼吸する場を与えてくれています。

　あれほど小学校が嫌いだった私でさえ、中学校時代には学校が楽しいと思うことが少なからずありました。
　気の合う友だちもできました。その付き合いは、現在まで続いています。
　互いに離れた土地で暮らし、会うのは数年おきですが、顔を合わせれば見事な速度で昔に戻ることができます。
　私にとって中学校というのは、そういう貴重な人間関係を築くことができた最初の場所でした。

　勉強はとうに二の次になった息子にも、何かが残りそうな中学校生活です。

☆部活の水分補給に毎日２Lの杜仲葉（Aピア）を飲ませたのも、脂肪燃焼に役立ちました。中学入学時、160cm、75kgだった息子は、1年弱で175cm、60kgになりました。

タグ：修業 友だち 先輩

コメント 2

私達家族が息子さんに最後にお会いしたのは、まだ小学生の頃でした。
ぽっちゃりして大柄な息子さんが、ハードな部活でそんなにスマートになられたとは、お聞きしても、なかなか想像できなかったものでした。
まぁ、うちの息子も、分厚いメガネにか細い体で、まさか空手部員なんかになろうとは、当時は思いもしませんでしたけど。。。

学校生活というのは、勉強だけでなく、友人や先輩後輩との付き合いなど、さまざまな点で得るところが大きいものですね。
by Goldenwest (2008-11-21 14:47) 

☆Goldenwestさん、
最後にお会いしてからもう10年近く経つんですね。
息子さんのご成長ぶりにはきゃ～！と叫ぶほど感動しましたし、LLサイズのブーツを履くようになられた娘さんは、私のなかではまだお下げのかわいらしいお嬢ちゃんのままです。

学校生活で得るものは本当にいろいろありますね。
息子さんも娘さんも、現役で部活がんばってらっしゃいますね～♪
うちは今一人でひそかに鍛えてるようです。
by Duarte (2008-11-21 22:56)