9.出不精 [小学生時代]
思いのほか厳しい残暑の中、息子の学校では2学期がスタートし、私にも平穏な日々が戻りました。
夏休みの終わりをこの世の終わりとばかりに嘆いていた息子ですが、学校が始まれば始まったで楽しくて仕方がない様子、放課後も毎日のようにクラスの友だちの誰か彼かが遊びにやって来ます。
近頃の子どもは塾とお稽古事で忙しく、いつでも暇なのはうちの息子くらいです。
それでも友だちのスケジュールをお互いよく把握していて、空いた時間を無駄にすることはありません。
友だち同士でいる時間を長く持つことは、一人っ子の息子にとっては実に望ましいことですが、ただ遊びの中心がもっぱらテレビゲームというのは実に残念なことです。
毎日5、6人が遊びに来ると、順番に2人ずつがテレビ画面に向かい、残りの子どもはひたすら漫画を読んで待ち時間を潰します。テレビゲームに興奮した2人がいくら大声を張り上げても、漫画に没頭した子は知らん顔です。
ゲームを離れればお互い何を話すでもなく、それぞれの塾の時間になれば1人、また1人と帰って行き、最終的に取り残された息子は、また別の1人遊びのゲームを始めるのです。
せっかく治安の良い日本にいて、健康な子どもが外遊び一つしないとは、なんとももったいないことです。
休みは家でゴロゴロして過ごすのが好きな夫も、さすがにこの息子を何とかしなければと思ったか、バトミントンやら釣り竿やらを買ってきて、テレビの前に根を張った息子を外に連れ出す努力を始めました。
それは青空の眩しい日曜日。
さあ裏の空き地でバトミントンだ。
ところが、3人が3人とも下手でまったく続かない。続かないからつまらない。という訳で、これは失敗でした。
翌週は風の強い日曜日。
絶景の淡路島を眼前に臨み、初めての海釣りです。
やっとやる気を出した息子が高く振り上げた釣り竿。その先に付けたルアーが大きく流されて夫の方へ。避ける間もなく夫の服の袖口にからまったルアーは、そう簡単にははずれませんでした。
結局雑魚1匹釣り上げることなく、夫の服を1着駄目にしただけで、釣り竿は押入れ深くしまい込まれたのでした。
最終的に息子たちを外に連れ出す切り札は、やはり犬しかありません。
最近では遊びに来る息子の友だちに心から歓迎の意を表し、おやつの時間ともなれば食べこぼしをしっかりチェックして歩く犬のハナは、子どもたちの人気者です。
息子1人の時に頼んでも無駄なことですが、何人か友だちが来ている時にハナの散歩をお願いすると、必ず中に1人くらいは「行きたい、行きたい!」と叫んでくれる子がいます。そんな時、すかさず「気分転換に皆で行ったらどうかな」と一押ししてやると、うまい具合に息子も含めて全員がぞろぞろと外へ出て行くのです。
しかし、私の出番はこれで終わりではありません。息子たちが戻った後、私は彼らの落し物を拾いに行かなければなりません。
ハナの糞です。
犬を散歩させるということは、その糞を拾って歩くことだと言っても過言ではありません。ところが、彼らにはそれができないのです。
散歩の足跡を辿りながら、ハナの糞か誰の糞かわからない大量の糞を拾って家へ帰ると、目はゲームに釘付けのまま「遅かったね、心配したよ」と息子の声。
外で遊びまわって暗くなるまで家に帰らない子供を心配する母親、という役を一度でいいから経験してみたいと思うのは、贅沢な願いでしょうか。
☆大学生になった息子は、帰省しても出歩いてばかりでした。もうちょっと家にいてよと思うのは、贅沢な願いでしょうか。
夏休みの終わりをこの世の終わりとばかりに嘆いていた息子ですが、学校が始まれば始まったで楽しくて仕方がない様子、放課後も毎日のようにクラスの友だちの誰か彼かが遊びにやって来ます。
近頃の子どもは塾とお稽古事で忙しく、いつでも暇なのはうちの息子くらいです。
それでも友だちのスケジュールをお互いよく把握していて、空いた時間を無駄にすることはありません。
友だち同士でいる時間を長く持つことは、一人っ子の息子にとっては実に望ましいことですが、ただ遊びの中心がもっぱらテレビゲームというのは実に残念なことです。
毎日5、6人が遊びに来ると、順番に2人ずつがテレビ画面に向かい、残りの子どもはひたすら漫画を読んで待ち時間を潰します。テレビゲームに興奮した2人がいくら大声を張り上げても、漫画に没頭した子は知らん顔です。
ゲームを離れればお互い何を話すでもなく、それぞれの塾の時間になれば1人、また1人と帰って行き、最終的に取り残された息子は、また別の1人遊びのゲームを始めるのです。
せっかく治安の良い日本にいて、健康な子どもが外遊び一つしないとは、なんとももったいないことです。
休みは家でゴロゴロして過ごすのが好きな夫も、さすがにこの息子を何とかしなければと思ったか、バトミントンやら釣り竿やらを買ってきて、テレビの前に根を張った息子を外に連れ出す努力を始めました。
それは青空の眩しい日曜日。
さあ裏の空き地でバトミントンだ。
ところが、3人が3人とも下手でまったく続かない。続かないからつまらない。という訳で、これは失敗でした。
翌週は風の強い日曜日。
絶景の淡路島を眼前に臨み、初めての海釣りです。
やっとやる気を出した息子が高く振り上げた釣り竿。その先に付けたルアーが大きく流されて夫の方へ。避ける間もなく夫の服の袖口にからまったルアーは、そう簡単にははずれませんでした。
結局雑魚1匹釣り上げることなく、夫の服を1着駄目にしただけで、釣り竿は押入れ深くしまい込まれたのでした。
最終的に息子たちを外に連れ出す切り札は、やはり犬しかありません。
最近では遊びに来る息子の友だちに心から歓迎の意を表し、おやつの時間ともなれば食べこぼしをしっかりチェックして歩く犬のハナは、子どもたちの人気者です。
息子1人の時に頼んでも無駄なことですが、何人か友だちが来ている時にハナの散歩をお願いすると、必ず中に1人くらいは「行きたい、行きたい!」と叫んでくれる子がいます。そんな時、すかさず「気分転換に皆で行ったらどうかな」と一押ししてやると、うまい具合に息子も含めて全員がぞろぞろと外へ出て行くのです。
しかし、私の出番はこれで終わりではありません。息子たちが戻った後、私は彼らの落し物を拾いに行かなければなりません。
ハナの糞です。
犬を散歩させるということは、その糞を拾って歩くことだと言っても過言ではありません。ところが、彼らにはそれができないのです。
散歩の足跡を辿りながら、ハナの糞か誰の糞かわからない大量の糞を拾って家へ帰ると、目はゲームに釘付けのまま「遅かったね、心配したよ」と息子の声。
外で遊びまわって暗くなるまで家に帰らない子供を心配する母親、という役を一度でいいから経験してみたいと思うのは、贅沢な願いでしょうか。
☆大学生になった息子は、帰省しても出歩いてばかりでした。もうちょっと家にいてよと思うのは、贅沢な願いでしょうか。
2008-08-28 19:40
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男の子というのは、大体同じような小学校時代を過ごすのでしょうか。我が家の息子も同じでした。
友達が数人遊びにきていても、大きな体でスペースを沢山とっている割には、本当に静かに遊んでいましたね。
一方、娘の友達が遊びにくると、喚声やら悲鳴やら地響きやら、上へ下への大騒ぎ、こちらが逃げ出したくなるくらいの騒々しさ。
この違いはいったいなんなんでしょうか。
しかし息子は今、家にいるのは寝ているときと食べているときだけ、なのは、成長したということなんでしょうか。。。
そして、Duarteさんの願いは、かなったといえるのでしょうか。
by Goldenwest (2008-08-29 12:58)
今日も楽しく読ませていただきましたわ~
うちの子はねえ、小学校の時から出歩くのが好きで
夕方よく外で仁王立ちしたものです・・・
ちょっとの時間でも友達と遊ぶので聞いてみると
『兄弟がいいひんし淋しいねん』って言うてました(T_T)
そういえば、紳助さんも一人っ子で
子供のころ、どうにか友達を家に引きとめようと
面白い話しを考えては引き止めたって言うてはりましたわ(^-^;
by あつこ (2008-08-29 14:59)
☆Goldenwestさん
女の子の遊び方はそんなににぎやかなんですか~!女の子の方がもっと静かかと思ってましたが、違うんですね~。
昔は息子さんとうちの息子とでよく一緒にゲームしてましたよね。
Goldenwestさんの息子さんもしっかり成長してらして、そして私も息子に関して、かつての願いは十分すぎるほどかなった、ということでしょうかね、やはり…。
by Duarte (2008-08-29 22:40)
☆あつこさん
息子さんの小学校時代のお姿は、まさに私が理想としていた子供の姿ですわ~。やっぱり子供には外で思いっきり体使って遊んでほしかったなあ。今思いっきり外歩きしてますが…。
息子は家に友達やお客さんが来るのが嬉しくてたまらない子でしたが、やっぱりにぎやかな家に憧れてたんでしょうか。
by Duarte (2008-08-29 22:53)